ワールドガイド|WT10 ファナティックブラッド
ゾンネンシュトラール帝国
特徴
帝国は人類の守護者を自称し歪虚侵攻阻止を命題に掲げる軍事国家であり、同時に皇帝に支配された独裁国家でもある。
辺境を挟み間近に迫る歪虚の侵攻を阻止する為、国軍である【十師団】の強化に躍起で、国家運営の全てが軍事に傾いている。
王国からの独立直後から錬金術を大々的に採用しており、【錬金術師組合】を擁する事もあり国全体が高い水準の機導技術に満たされている。
鉱物性マテリアルが豊富な土地柄である事、そして機導術と軍事の相性の良さから重宝されてきた錬金術だが、長年の多用によりマテリアルに悪影響を及ぼす【魔法公害】が蔓延しつつある。
領内南部森林地帯にある【エルフハイム】の【エルフ】達とは環境問題等を巡り長らく険悪であり、直接衝突を避ける為、不可侵条約が結ばれている。
政治/経済
国の意志決定は独裁者である皇帝によって下されるが、皇帝の親裁を仰ぐほどではない物については【十師団】の団長クラスによる議会、通称【騎士議会】により決議にかけられる。
これは国を武官が取り仕切っている事を意味し、師団長は武人としてだけではなく政治家としての権力も有し、同時に相応の裁量を求められる。
また皇帝と同等の権限を付与する【代理人】という制度があり、これを受けた皇帝の実弟が議会や公の場に立つ事もある。
代理人は実弟だけではなく皇帝近衛集団【絶火隊】の数名にも与えられている。しかし絶火隊の殆どは皇帝以外顔も名前も知らず、独自に国内外の問題に対処しているとの噂。
あくまで軍人に権力が集中したその下で【帝国政府】と呼べる組織が存在し、六つの課に分かれ文官により実質的な国家運営が成されている。
辺境地域を実質的な統治下に置き、人類全体の守護者足らんとする帝国軍の維持には莫大な費用が必要であり、懐事情は常に火の車だ。
帝都【バルトアンデルス】を始め国軍に関わる大都市こそ先進的に見えるが地方との貧富の差は広がる一方で、いつ終わるとも知れぬ歪虚との戦いに疲れ果てている。
歴史
王国暦750年、王国の北部辺境領を封土としていた騎士が独立した事により帝国の歴史は始まった。
元は王国を守護する為にと北部の辺境を治めていた領主だが、その子孫は王国への敬意を忘れ独立を宣言。当初こそ本来の役割通りに北方の守護の為に努めていた歴代皇帝達であったが、その後200年に渡り大規模な歪虚による侵攻はなく、長すぎる平穏が騎士の国を腐敗させる。
歪虚による侵攻が再開され辺境地域が蹂躙されても保身の為に動こうとしなかった帝国を憂い、一人の師団長が革命を起こし短期間で帝位を簒奪。腐敗した貴族社会や旧皇族を追放し、嘗ての力強く誇りに満ちた帝国を復活させようと改革を断行した。
僅か数年で現在の帝国に通じる強力な軍事国家として再編されるも、極端な路線変更に内外からの批判は少なくなかった。
辺境を足掛かりに人類の領土を取り戻そうと遠征を繰り返した皇帝だが、遠征中に護衛の部隊ごと行方不明となり、急遽長女であるヴィルヘルミナが帝位を継ぎ事態の収集に当たった。
新皇帝は父王以上に好戦的で北荻奪還に燃えているが、辺境防衛と国内問題の始末に追われ大規模な遠征は叶わずにいる。
地理(都市/地形)
帝国の領地の大半は水捌けのよい丘陵地であり、まばらな針葉樹林に覆われた国土は開墾されても耕作には適さない事が多い。
低い山や丘陵の地下には鉱脈がある事が多く、帝国で大地の恵みというと麦やイモ以外に鉱石を指す事も有る。鉱石の採掘や加工を依頼する関係で【ドワーフ】とは良好な付き合いを維持している。
広い土地を活かす形の牧畜は盛んであり、羊は全土に広く見られる家畜だ。古くより帝国では富の象徴とされ、階級の高い軍人は羊の意匠を施された装備を好むという。
人口は帝都等大都市に集中しており、面積当たりの総人口は少ない。過疎化の進んだ地方では亜人が多く見られ、エルフやドワーフ以外にも様々な敵性亜人が跋扈する。
自由都市との交易は盛んだが、帝国軍の目が行き届かない街道では賊や亜人種による襲撃が懸念される為、多くの場合ハンター等の護衛をつけるようだ。
王国との間には険しい山脈と大渓谷が隔たり、巨大な橋の上に作られた崖空都市【ピースホライズン】を経由する以外安全な交易ルートはない。
帝都を中心に四方に張り巡らされた街道に沿って十師団が駐留する要塞都市が複数存在しているが、国内の治安維持を万全な物には出来ていない。
皇帝、他NPC
ヴィルヘルミナ・ウランゲル
年齢:21 クラス:闘狩人(エンフォーサー)
ゾンネンシュトラール帝国皇帝。
革命を成し遂げた先代の娘であり、前皇帝の失踪により後継者として呼び戻されて以来、圧倒的なカリスマで国を牛耳る独裁者。人の持つ可能性を何よりも信じ、愛し、歪虚を滅ぼし人々を救う事を命題として掲げる。
自ら血を流さぬ者は王の器に非ずと語り、常に最も危険で過酷な戦場へ降り立つ事を好む。言動は皇帝とは思えない破天荒な物ばかりで、彼女に振り回される周囲の心労は絶えない。
オズワルド
年齢:58 クラス:疾影士(ストライダー)
帝国軍第一師団長。
先代皇帝と共に革命を成し遂げた英雄。帝国一の槍使いと呼ばれた武人だが、戦争に弱腰だった旧体制時代の事であり自分の家柄に対するおべっかだと本人は否定する。
全ての師団を纏める立場であり、師団長クラスの中でも頭一つ抜き出た発言力を持つ。現皇帝が幼かった頃からの知人であり、失踪した先代に代わり皇帝を支える苦労人。
隠居したいが口癖だが、まだ当分その時が来る気配はないようだ。