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ライブラリ 自由都市同盟

特徴

ヴァリオス風景

 自由都市同盟はその名の示すとおり、ひとつの国家ではなく、それぞれの都市が同盟を結ぶことで領土を維持しているのが最大の特徴である。
 同盟における首都機能は、王国から初めて自治権を獲得した極彩色の街「ヴァリオス」に併設されているが、同盟軍の海軍本部は港湾都市「ポルトワール」に存在するなど、都市の個性は他国よりも色濃く反映されている。
 各都市は都市間での商売はもちろん、他国との貿易でも利益を上げることで都市の発展を目指している。また同盟軍に資金提供することで、領土内の治安維持にも努めている。歪虚による脅威は、都市そのものの破壊に加え、商売における信用を揺るがす危険があり、この危険性についてのみ、各都市は共通の認識を有する。商売という共通目的とその障害への認識が、今日の同盟という統一体を形作ったと言っても過言ではない。

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政治/経済

 自由都市同盟としての意思決定は、「自由都市評議会(コンシェル)」での協議によって決まる。評議会に席を持つのは、有力都市と魔術師ギルドであり、つまるところ自由都市同盟は都市の合議で動く。各都市はその規模や同盟への寄与度に応じ、評議会に参加できる人数を割り振られており、その発言力は一定の平等性を保たれている。個々の都市の意思は、都市により差異はある物の概ね大商人や軍人など、有力者の合意か、あるいは指示により決定される。
 同盟内では都市国家間の勢力争いと、集団としての勢力争いが今も続いている。前者は主に海を通じて政治、経済、軍事に力を持つ都市の間で、自由都市評議会での評決を巡って行われるものだ。主に有力都市以外の票を奪い合うという形で発生する。後者は、海商と海軍の勢力争いで、これに敵対者として海賊勢力が間接的な影響を与える場合もある。
 自由都市同盟の海商は1隻から船団単位の船主まで存在し、そのいずれもが誇り高い。海賊との交戦を行う事もある彼らは実戦経験も豊富で、自由都市同盟は正規の海軍以外にも潜在的な海上戦力を多数抱えているといえる。他方、陸上交易はそれよりも一段劣ると思われており、都市の子供たちが憧れるのは海の男である。

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歴史

同盟地図

 自由都市同盟の国家としての源流は、王国の半島統一とほぼ同時期まで遡る。当時は東の辺境であった自由都市同盟の領域を領地とした貴族の多くはこの地に直接赴かず、代官をおいて統治した。この代官は都市のもともとの住人であり、役を辞する際にも後任の推薦は許されていた為に数十年もすると数家の持ち回り役となった。
 「大侵攻」の前から訪れていた寒波による大飢饉に際し、それまで王国の支配を認めていた住人たちは王国暦712年に共同宣言を出した。この宣言は力を持ちつつあった商人達の後押しによる物で、代官の領主化、大幅な自治権拡大を要求する内容であった。おりしも、大侵攻により多くの領主たちが帰らぬものとなっていた時の事である。
 極彩色の街「ヴァリオス」は貴族達への「仕送り」を欠かさぬ事を約束し、代わりに念願の自治権を手に入れる。他の都市も雪崩を打って後に続いた。彼らは、自分たちの力が金に依拠する事を正しく理解しており、それを安全に生み出す為に協商を組む。続く数十年の間に協商は「同盟」へと変化したが、自由都市同盟は帝国や王国のような強固な組織化はなされていない。

 また、独立以前より「ヴァリオス」に存在した魔術師協会、および自由都市同盟成立直後に自由都市「リゼリオ」に設立されたハンターズ・ソサエティも、初期の混乱で揺れる同盟を支えた。この二つが同盟内に基盤を置きながらも独立した組織として機能している理由として、建国時の恩義に受けた自由都市同盟が忘れていないからであるという説と、採算が取れない為に放置しているという説の二つが挙げられている。

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地理(都市/地形)

 自由都市同盟の存在する半島東部は比較的山がちであり、平地に恵まれた王国と比べると居住に適した地域は少ない。王国との国境にある大湖から流れ出る河川も王国に比べると短く急であり、船舶の通行には適さない。一方で東の海岸線には港に適した湾がいくつもあったため、そういった土地には港湾都市が発展した。この地域では耕作、牧畜がおこなわれており、同盟の乳製品やワインは他国でも名高い。
 上記のような地理から、大規模な交易については主に海路が利用されているが、大回りになる海路と比べ、大湖経由での河川運航は速度の面でアドバンテージがある為、王国や同盟の小規模な商人達が鮮度や速度が重要な荷を扱っている。
 短い河川の河口付近の平地、港湾に適した港、山岳の中の盆地など様々な場所で都市は小国家的に発展して来た歴史がある。近年になって街道が十分整備されるまで政治的に統一されることはなかった。現在でも各都市の自立意識は高く、同盟を築いてはいるが都市の間での駆け引きや勢力争いといった物は絶えない。

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議長、他NPC

評議会議長(コンシェルジュ) ラウロ・デ・セータ

ラウロ・デ・セータ 年齢:61 クラス:一般人
 自由都市評議会の評議会議長。通称「コンシェルジュ」。彼が何よりも大切にしていることは、同盟を決裂させないこと。それはつまり「可能な限り全員が不満を持たないよう評決を下すこと」である。
 賛辞を受ければ丁寧に礼を述べ、今後の精進を約束する。批判を受ければ静かに話を聴き、改善の余地を確認する。
 この態度から「同盟一、静穏な人」と表現されることが多い。普段から感情を表に出すことをしないが、決して冷たい性格ではない。


湾岸都市「ポルトワール」の代表 ロメオ・ガッディ

ロメオ・ガッディ 年齢:41 クラス:一般人
 ポルトワールの海商を束ねる代表。元々は海商側の事務局長を務めていたが、歪虚出現の際、海軍の誘致を決めた張本人。その後は持ち前の行動力を発揮し、観光都市としての振興、および海軍との連携を実行。その働きを評価され、今の地位に就く。
 海軍、都市(海商)、ダウンタウン、この三者のバランス調整に必死な苦労人。どこの肩を持つつもりもないので、中立的なハンターを頼ることも多い。常に問題が発生し続け、頭を抱えていることが多いものの、開き直ると強いタイプ。

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